キャズム理論 — 一部の人気と、大ヒットの間にある「谷」
よみもの・約4分
イノベーター理論では、新しいもの好き(16%)に届けば一気に広がる…と話した。でも現実はそんなに甘くない。『初期のファン』と『世間の多数派』の間には、実はとても深い溝(=キャズム=谷)がある。これを指摘したのがジェフリー・ムーアの『キャズム理論』だよ。
なぜ谷ができるのか。新しいもの好きな人は『新しい・面白い・すごい』だけで買ってくれる。でも多数派の人たちは正反対で、『みんな使ってる?』『失敗しない?』『実績あるの?』と安心を求める。求めているものが真逆だから、初期ファンに売れたやり方が多数派にはまったく通用しないんだ。
この谷を越えられずに消えていった製品やスタートアップは数えきれない。話題にはなったのに、いつのまにか見かけなくなったサービス…あれの多くはキャズムに落ちた例だ。VRや電気自動車も、長いあいだこの谷の手前で足踏みしていた。
谷を越えるコツは『欲張らないこと』。あれもこれもと広げず、まずは特定の狭い場所(ニッチ)に集中して、そこで圧倒的No.1になる。すると「あの分野では定番」という実績と口コミが生まれ、それを足がかりに隣へ、また隣へと広がっていける。ボウリングで一番手前のピンを倒すと、後ろのピンも連鎖で倒れるのと同じイメージだ。
💰 投資家の目線:話題の新サービスを見たら『これは谷を越えられそう?』と問いかけよう。熱狂的なファンはいるが多数派に届く道筋が見えない会社は要注意。逆に、谷を越えた瞬間は、爆発的な成長が始まるサインになりやすい。
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